岡山県美作市 南部
アズマイチゲに会いたい
2021.03.25
表紙絵 アズマイチゲ
母をエドヒガン、父をオオシマザクラとする交配で生まれた日本産の栽培品種。遺伝子的には単一の樹を始源とするクローン。歴史的には江戸時代後期に開発され、昭和の高度経済成長期にかけて全国で数多く植えられたもの。気象庁が各地の桜の開花・満開を判断する標本木としている。
ユキヤナギ 列に遅れて急ぎ足の時に発見。あの草本はなんだと思って近寄って触ってみたら木本だった。近くにあった〝ユキヤナギ〟らしきものと同じ花だったのでびっくり。
日本原産で、元々山地の川沿い、水際辺りに自生しているが、乾燥にも適応できるため栽培種としても活用されている。石川県では絶滅危惧種に指定される等、地域的に絶滅が危惧されている。一方、栽培種としてはあまり手を掛けなくても成長するので、庭や公園等で見かけることが多い。1.5~3m程の高さになり、地面の際から枝がいく本にも立ち上がっては枝垂れて、細く、ぎざぎざのある葉を付ける。3~5月にかけて、5弁で雪白の小さな花を枝全体に付ける。20数年前から自宅の庭にもあるが、絶滅どころが、花後に剪定しても大きな株になって、ちょっと困っている。
バラ科 シモツケソウ属
写真のものが自生種か栽培種かは分からないが、以前観察したのはもっと奥深い山の谷沿いだったように記憶している。多分、栽培種が逃げたものと思われる。
名は、ナズナ(七草)と比べて食べられないという意味で付けられた。道端や畑などにふつうに生えるが、ナズナに比べると個体数は少ない。花期は3中~6月。萼片に毛があり、花弁は4枚で先がへこむ。
名は〝カラスノエンドウ〟に似て小型であることによる。また〝カラスノエンドウ〝と〝スズメノエンドウ〟の中間型として〝カスマグサ〟がある。ここではこの三種の違いなどについて調べた。
ヒメオドリコソウ 群生するが、まだ自身の畑では見たことがない。低地には生えないのだろうか。
ヨーロッパ原産で、道端、畑、庭などに生える。明るい赤紫色の唇形花で、上唇片は兜の形で、下唇片先は2裂し赤い斑点があり、上部の葉の脇から外側に向かって開く。上から見ると放射状に並ぶ。花期は3~5月。
スミレ科 スミレ属
全体的な雰囲気はスミレに似るが、少しバラバラとした感じに見える。花期は3~5月。スミレより少し早めに咲きだす。生育は低地の人里周辺に限られ、田畑の周辺等日当たりのよい乾き気味の環境を好む。スミレのようには草丈が伸びず、4~8㎝で倒れ気味になる。葉は長さ3~6㎝の細長いヘラ形~長披針形で、縁が波打つ。「葉柄にスミレのような翼がほとんどない」ことや「香りが強い」こと等が区別点になる。
(今まで葉柄は確認してきたが、香りまで確認したことはない。列に遅れ気味で、大急ぎで一枚だけの撮影となった。)
アケビ アケビは樹木等に巻き付いて生育するが、これは、伸びる先には何もない。どうするのでしょうか。アケビは5葉だが、別にミツバアケビとの交雑種にゴヨウアケビがある。
花期は4~5月。雌雄同株で雌雄異花。花色は淡紫色。春先に伸びた新芽に、新葉と共に長い花序が垂れ下がり、柄の基部に1~3個の濃紫色で大きな雌花、柄の先端に多くの淡紫色で小さな雄花が咲く。雌花に長い花柄があり、暗紫色の萼片が3枚つき、花弁はない。
アケビ科 アケビ属
花期前のおおきくなった蕾。写真上、ふたつの大きな赤色のものが雌花と思われる。
タチツボスミレ 花期は3上~5月で、地域ごとの変異も多様。
全国の山地に分布する多年草。分布上からも個体数からも日本を代表するスミレのひとつ。
山野、道端等にふつう。草丈は5~15㎝。地上茎があり、初めは短く後に30㎝になる。根生葉、茎葉とも心形でほぼ同型形。ふつう紫色を帯びない。托葉が切れ込むのが最大の特徴。花は径1.5~2㎝の淡紫色。距はふつう紫色を帯びる。
ジロボウエンゴサク 本州の関東地方以西、四国、九州に分布し、低地から山地の草原、川岸、樹縁などに生育する。茎は高さが10~20㎝。弱々しくやや傾いて伸び、短い葉柄のある茎葉を2~3個付ける。根出葉は長い葉柄があり、小葉は2~3深裂する。
花期は4~5月。総状花序にやや小数の花を付ける。小花柄の基部の苞は菱形の卵形で、先はとがり分裂しない。花冠は一方が唇状に開き、その反対側が距となり、長さは12~22㎜になる。花冠は紅紫色から青紫色になり、まれに白色になる。
花弁は1枚ごとに独立した離弁花だが、5枚の花弁と多くの雄しべが合着した筒形になっていて、花全体がまとまって落花する。(一か所を切ってみる)
茎は立ち上がり、やがて斜上して、時に垂れ下がる。葉は全縁だが、道端等日当たりのよい場所に生育するものでは3浅裂するものがある。表面は光沢がなく、両面にビロード状の毛があり、名前の由来となっている。
裏面の脈上には棘とともに、特に毛が多い。花期は4~5月。花弁の長さは10㎜程。果実は5~6月にかけて黄紅色に熟し、おいしい。
セリ科 セントウソウ属
花期は3~5月。早くに、葉の間から伸びた細い花茎の先に複散形花序をだし、白色の小さな花をつける。
キンポウゲ科 セツブンソウ属
すでに花後。果実は袋果となり、種子は径2㎜になり、褐色で表面はなめらかである。
キンポウゲ科 ヒメウズ属
オダマキ属 → ヒメウズ属
蕾。後、花径が伸びややうつむいて咲く。小さくて見落としてしまう。
キンポウゲ科 センニンソウ属
幼苗。同属のボタンヅルに酷似する。小葉はほぼ卵形で無毛だが、下部の小葉は2~3片に切れ込むことがある。鋸歯がないのがこの時期の区別点。
ユリ科 ウバユリ属
幼苗。後、直立して高さ50~100㎝の茎が伸びる。花期は7~8月。茎の上部に緑白色の花を数個横向に付ける。
ユキワリイチゲ 曇天で観察時間も早く花期の峠は過ぎているのか、全開の状態ではないようだ。
花期は3初~4月。生育環境により異なる。花茎は高さ15~30㎝になり、茎には葉が3枚ずつ輪生する。茎につく葉は無柄。花は茎先に単生する。花径3~3.5㎝で、淡い紫色で花びらのように見える長楕円形の萼を12~22枚付ける。雄しべは多数で、葯は黄色。雌しべは10~14個ある。
茎に付く葉は鞘状に広がった柄を持って3枚が輪生する。小葉は3出複葉で、羽状に深く裂ける。花期は4~5月、花茎の高さは20~30㎝になり、径4cmの花弁状の萼片を持つ花を1個、花茎の先端に付ける。萼片は白色でふつう5-6枚、裏面は紅色を帯びる場合がある。花弁はない。
北海道・本州中部以北に分布 岡山・広島県で隔離分布
早春に葉と同時に花茎を出す。根出葉は線形で厚く、柔らかい。幅は5~7㎜、長さは15~30㎝。花期は3末~5月。花茎の先端に数個~10個の花を咲かせる。花は開花直後は黄緑で、やがて黄色になる。花披片は長さ12~15㎜。
全体に毛が生え、葉は長さ5~13㎝の奇数羽状複葉。小葉は3~7個付き、頂小葉が最も大きい。小葉は長さ1~3㎝の円形~惰円形、有柄、不規則な鋸歯がある。花期は4~5月。茎の上部に短い総状花序を付け、花径は1㎝の白色4弁花。
花期は3末~4月。葉が開くのとほぼ同時に花が咲く。花はウグイスカグラよりもやや大きい。葉は楕円形で枝から対になって出る。葉にも毛が多く、ザラザラしている。枝は分岐が多く、ウグイスカグラよりもやや赤みがある。
常緑低木。青々とした葉と赤い果実が特徴。山地の林内に自生するほか、庭木にも使われる。
花期は3~5月。花は褐色を帯びた紫色で、円錐花序で穂のように小花を多数付ける。雌雄異株で、雄花の花序は長さ8~20㎝、雌花の花序は長さ2~5㎝で、赤褐色の4弁花が咲く]。写真は雄花。雄花は淡黄色の葯をもつ4個の雄しべがあり、雌花は緑色の花柱が1個ある
石川、岐阜、愛知~岡山県に分布し、山地の林下に生育する。鱗茎は2個鱗片からなり、葉は5個で茎の下部に付く葉は対生する。茎の上部の葉は細かく3輪生する。花期は3~5月。茎の先に1個、下向きに咲く。花は広鍾形で、花被片は15~25㎜で淡黄色。花被片の内側の中部に腺体がある。紫色の網目模様があり、外側に角ばり張り出す。内花被片の縁は平滑、葯はクリーム色。
スズシロソウ 匍匐枝を伸ばして、他の植物が生育しにくい急傾斜地や崖などにも生育する。
クサノオウ 花期は5~7月からとされるが、株を広げひとつふたつと花が開花している。
中空の茎を直立させ草丈40~80㎝までに育つ。葉は1~2回程で深裂し、羽状複葉となって30㎝までに伸びる。花は径2㎝程の鮮やかな黄色の四弁花で、まれに八重咲きの株がある。花期を過ぎても、秋まで咲いている株もある。後に、長さ3~4㎝の莢が上を向いて実る。傷つけると有毒アルカロイド成分を含む黄色い乳液を流し、これが皮膚に触れると炎症を起す。
ヒノキ科 スギ属
花期は2~4月。花は雄花と雌花がある。雄花は長さ5㎜程の楕円形で、枝先に密生する。雌花はほぼ球形で、鱗片が密着し、表面に小さな棘が出る。
写真左の大きな花の方が〝ソメイヨシノ〟で、右が〝エドヒガン〟。エドヒガンはソメイヨシノの母方になり、ちなみに父方はオオシマザクラ。ソメイヨシノは、交雑してできた単一の樹を始源としその両方の特徴を持ち合わせた、栽培品種のクローンである。
というお話でした。
通常見るモクレンより花径が2倍ほどもある。栽培種だろうが、今まで見たことがない。
セイヨウタンポポに比べたら頭花が小さく、小花の数が少ない。総苞外片は反り返らず、角状突起はほとんどない。
シロバナタンポポと比べると、頭花は小さく、総苞外片は圧着して、角状突起はほとんどなく、花の色はうすいクリーム色である。
花茎が短く、せいぜい30㎝程で、葉くらいの高さである。岡山県から広島県東部には多産。花期は2~5月。
茎は、高さ8~15㎝で細くてやわらかく無毛。根出葉は長い葉柄があり、茎とほぼ同長となり、2回3出複葉で小葉は羽状に中裂し、裂片は鈍頭となる。茎に付く葉は小さく、1対が対生し、短い葉柄があり羽状に3裂する。花期は3~5月。花は小さく黄緑色。茎先に5花がほぼ無柄で頭状に集まり、径4~6㎜になる。花序の中で頂部の花と側部の花は形が違い、頂部のものは萼が2裂、花冠が4裂、雄しべが8個となり、側面の4花は萼が3裂、花冠が5~6裂、雄しべが10~12個となる。花柱は3~5裂する。
名は、〝連福草〟の意で、本種の長い地下茎にフクジュソウ(福寿草)が続いて来たのを見た人が「連福草」と言い出したといわている。また、別名のゴリンバナ「五輪花」は、花が5個集まって付くことによる。
茎はふつう1個で高さ10〜20㎝。最下の葉は鱗片状となり、この腋から分枝する。茎葉は2(まれに3)個あり、2〜3回3出複生、小葉は線形〜卵円形、しばしば3裂し、葉形は変化が多い。花期は4~5月。
花は茎の先に総状花序を作って淡紅紫色、長さ15〜25㎜。苞は披針形〜扇状くさび形。花弁は4個で外側に2個、内側に2個付く。外側のうち上の1個がもっとも大きく、基部が袋状の距になって後ろに付き出る。
ケシ科 キケマン属
酷似のジロボウエンゴサクがある。葉の形で区別出来そうだが、変異があるのでそれだけでは不十分。
全国に分布し、山地や山麓の日当たりの良い場所に生育する。花期は3~5月。
径2~3㎝の花弁状の萼片を持つ花を1個付ける。萼片は白色で8~13枚。花弁はない。