全国に分布。やや湿った場所に生える。垂直分布が広く、人里近くの湿地~高山帯の高層湿原まで生えている。葉は広い線形でなめらか、根本から多数出てロゼット状に平らに広がる。花茎はロゼット葉の中心から出て、花が成熟するまでは高さ10~30㎝、花が成熟すると1m近くまで成長する。花序は花茎の先端に横向きに付く。花の色は生育場所によって、淡紅色、紫色、白色と変化に富んでいる。花期は低山では3~4月、高山では雪渓が溶けたあとの6~7月になる。なお、花被は花が終わった後もそのまま残り、色あせはするものの、咲いたときの姿を残しているので、夏に緑の花が咲いているといった姿となる。種子は5㎜で細長く、1つの蒴果に40〜60個が格納される。種子は春化により発芽する。繁殖は種子のほか、葉の先にできる不定芽によっても殖えることができる。