日本特産。北海道の西部、本州の東北地方、北陸地方、山陰地方に分布。主に日本海型気候の多雪地で、日当たりのよい山地の谷沿いや斜面に多く見られる。(関東地方はニシキウツギが多いが、信越県境付近から日本海側でタニウツギが多い。)落葉広葉樹。低木で樹高は2~5mになる。樹皮は灰褐色で縦に裂け剥がれる。新しい枝は赤みを帯びる。枝先は枯れることが多い。葉は長さ3~10㎜の葉柄をもって対生し、葉身は長さ5~12㎝ 、幅2~6㎝になり、徒長枝につく葉はさらに大きくなる。形は卵形、卵形楕円形~長楕円形または倒卵形。先端は鋭先頭で尾状となり、基部は円形またはくさび形で、縁には細かい鋸歯がある。裏面には白い毛が密生する。花期は5~7月。今年枝の先端か葉腋に散房花序を出して、2~3個ずつ薄い紅色の花を付ける。5裂する萼裂片は長さ4~7㎜。花冠は淡紅色の漏斗状で、長さ2.5~3.5 ㎝、径2㎝になり、先端は放射相称に5裂する。花冠の内側より外側が色が濃く、開花しているものより蕾のほうが濃い。雄しべは5本、雌しべは1本あり、花柱は雄しべより長い。果期は10~11月。果実は蒴果で、長さ1.2~1.8㎝、径2.5~3㎜の細い円柱状で、種子は細かくて長さ1㎜の楕円形になり多数出る。冬でも果実はよく残っている。