全国に分布し、落葉樹林の木陰に生える。高さ15~30㎝。球根はなく、白くてやや太い地下茎を持つ。花期は4~6月で、茎の先端に1㎝の白い花をふつう一つ咲かせ、花後に黒色の液果を付ける。種子繁殖のほか、地上茎基部に生ずる地下茎により無性繁殖する。無性繁殖は親に当たる地上茎が枯れた後に地下茎の先に新しい地上茎(子)が生じるため、毎年あたらしい地上茎が出現する。このような生活史を「擬似一年草」と呼ぶ。地下茎には長短の二型があるとされる。親地上茎は冬期に枯れて地下茎による接続が切れてしまうので、各地上茎は独立して存在する。名は、小さくて可愛らしいことから「稚児ユリ」と呼ばれることになった。