名を〝ケクロモジ〟と同定しきって書いたが、同属に〝クロモジ〟があり、今回その差異までは詳しく確認はしていない。➀葉に光沢がなく➁裏面全体に絹毛が確認でき➂葉の側脈が表面はへこみ、➃裏面が隆起しているで、〝ケクロモジ〟だろうと思われる。形態的にも類似しているし、地域差、個体差もあり、ふたつを区別しないとする考え方も一部にあるようだ。花期は3末～4月。雌雄異株。写真のものは雄しべが見えないので、雌株の雌花と思われる。

　最初に目に入ったもの。しっかりと根を張り全開していた。花は伸長した茎の葉腋に付き、➀タチツボスミレよりやや大きめで、➁唇弁の紫色のすじが細かい網の目状になり、➂花の色はやや赤みが強い淡紫色で、➃距は白いことが確認できる。花期は4～6月。寒冷な多雪地に多い。

　日本を代表するスミレ等ともよく言われる。全国に分布。林内、草地、道端等どこにでも生える。花期は3～5月。花は淡紫色のものが多いが個体差がある。距は花色に準ずることが多い。葉が丸い心形なのも特徴。

　日本海側の多雪地帯に分布する。あまり高くない山地の半日陰の落葉樹林下等に多い。

　　花茎の高さは1～2mになる。根出葉はフキやノブキに似て長い葉柄があり、心円形で径40～60㎝になり、葉の縁は鋸歯状になる。茎に付く葉の葉柄は茎を抱く。花期は7～10月。茎の上部に黄色い頭花を総状に付ける。総状花序の下から上へ開花していく。当地点は群生地。時折、イノシシによってグチャグチャにされるが、翌年には芽を出して元気な姿を見せる。

　フウロケマンの変種で、母種より大きく高さ20〜45㎝。長さ4〜10㎝の総状花序に、長さ2〜2.3㎝とやや長い黄色花を多数付ける。

　岐阜県以西の日本海側の谷間や沢沿いの湿地に生える。県内では中国山地のブナ帯から山麓の落葉樹林下で湿った所に見られる。ネコノメソウ属としては大型で萼がポイントになって見栄えが良い。

　山地の湿った所に群生。走出枝を出し高さ5〜20㎝。葉は対生し、広卵形で長さ5〜20㎜、3〜8対の鈍鋸歯がある。苞は茎葉と同形で黄緑色を帯びる。花期は4～5月。花は径2㎜程、萼裂片は直立し淡黄色。雄しべは4個しかない。希少種ということではないが、個体数は少ない。

　若苗は根出葉だけ、年を経て鱗茎が太ると、大きな茎が伸び50〜100㎝に達して花を付ける。もとの鱗茎はなくなって、根もとに新しい鱗茎ができる。茎は無毛、中空、その中部に5〜6葉が集まって付く。葉ははじめ縦にまいているが、広がると卵状心形で長柄があり、基部は太い。葉身は長さ15〜25㎝、網状脈があり、両面無毛。花期は7～8月。総状花序に花を数個付ける。苞は挟披針形で落ちる。花は緑白色で長さ12〜17㎝、横向きに咲き、花被片はやや不規則にならぶ。

　低山の林内にはえ、高さ20mになる落葉高木。葉は対生し、長さ5～9㎝、幅6～12㎝、掌状に11～13裂し、鋭い重鋸歯がある。葉柄の長さは葉と同じ長さか2/3ほど。葉は秋に紅葉する。花期は5月。葉の展開と同時に開花する。花は枝先の複散房花序に10～20個付き、花序は垂れ下がらず、葉よりも上に伸びる。雄花と両性花を付けるが、雌花は少ない。花は萼片、花弁ともに5個、花弁は淡黄色で、萼片は紅色を帯びたクリーム色である。遠目には赤く見える。果実は長さ2㎝で2個ずつ付き、それぞれにプロペラ状の翼があり、ほぼ水平に開く。

　アブラナ科タネツケバナ属の一種と思われるが、調べてみて、私が図鑑上も含めて知るところの〝コンロンソウ〟(帝釈峡等)、〝マルバコンロンソウ〟〝オオマルバコンロンソウ〟(山野峡)、〝ジャニンジン〟(各地　当地にもある)、〝タネツケバナ〟(水田、湿地にふつう)、〝ニシノオオタネツケバナ〟〝オオバタネツケバナ〟のどれとも異なるようで同定出来ないでいる。アブラナ科は、属、種が多い植物だが、写真のものに似るものを知らない。

　低地～山地の林内や林陽のやや湿った所に生える。根茎から高さ20～50㎝の茎が一本伸び、その先端に3枚のはを輪生する。葉は葉柄を持たず、茎から直接出る。葉は丸みを帯びたひし形で、径は10～20㎝。花期は4～6月。3枚の葉の中心から短い花柄が伸び、小さな花を付ける。花は花弁を持たず3枚の緑色または濃紫色の萼片を持ち、横向きに咲く。

　上部の大きな穂が雄花、下部の数個付く小さな穂が雌花。華やかさもなく、あまり話題にならない。

　中国地方の大山、蒜山と吾妻山、道後山等に生育する。オオバキスミレの一変種で、高さ10センチほどと母種より小形で、地下茎が太く短いことで区別される。花期は4～6月。キスミレ（黄菫）の仲間は名の通り鮮やかな黄色の花を咲かせる。本種を含め、オオバキスミレの仲間は日本固有種であり、北海道の西南部と、本州の近畿地方以西の日本海側など多雪地に分布する。

　樹高3～12mの小高木。葉は長さ15～25㎝の奇数羽状複葉で、長さ3～9㎝の側小葉がふつえ4～7対が向かい合って付く。小葉は披針形または長楕円状披針形で、先は尖る。花期は5～7月。白い花を多数咲かせる。花は5枚の花弁からなる6～10㎜の大きさの小花で複散房花序の形をなす。雄しべは20個で、花柱は3～4本。風雪の影響で倒れたもの。目の前で葉を見て確認しながら、当地で花を撮影した記憶がないことが不思議に思われる。ゆっくり歩いているようでも、意外に辺りに目が行き届いていないようだ。

　樹高2～4m。葉は枝に対生し、形は長さ7～20㎝の卵円形で葉の先端は尖り全縁になる。葉脈がシワ状に目立つ。花期は4～6月。枝の先から散房花序を出して、白色の小さな両性花のまわりに大きな5枚の花弁を持つ装飾花が縁どる。装飾花は美しく、5深裂して径は25～35㎜ほどある。04.27-2021

　花期は3月末。雌雄別株。葉の展開と同時に開花する。雄花序は長さ2.5〜5㎝で無柄。雄しべが1個のものと2個のものが混在する。花糸は離生または途中まで合着する。基部には腺体が1個ある。葯は黄色。雌花序は長さ3〜5㎝。子房には柄があり、白い綿毛が密生する。腺体は1個。苞は卵〜楕円形、上半部は黒褐色または赤褐色、下部は淡緑色。両面に長い軟毛が密生する。

　なんだったかなと思って、すぐに検索意欲をなくしてしまう不思議な木。保留中。

　やや湿った草地や林内に普通に見られる。草丈は5～25㎝。茎は斜め上に伸び、柔らかく倒れやすい。葉は幅2～4㎝の先の尖った心形～腎形で、基部は深い心形。ふつう無毛で、両面とも緑色。花期は3～5月と長い間蒴。花は白色で直径１cm前後と小さく、唇弁の紫色のすじが目立つ。距は白色で、長さ2～3㎜と短く、ぼってりしている。花が小型であるなど、当山にあるフモトスミレに似る。

　全国に分布。やや湿った場所に生える。垂直分布が広く、人里近くの田んぼの畦道から高山帯の高層湿原まで生える。だから、花期は低山では3～4月、高山では雪渓が溶けたあとの6～7月になる。繁殖は種子のほか、葉の先にできる不定芽によっても出来る。名は、赤い花を中国の伝説上の動物である猩々になぞらえ、根生葉の重なりが袴に似ていることから付けられたとされる。

　まもなく岩樋山山頂という辺りの登山道で出会うと嬉しくなる。花色の濃紅紫がきれいで見惚れてしまう。

　近畿地方以西〜九州の丘陵〜山地に生える。株立ちになる。雌雄別株。葉の展開と同時に開花する。果実はさく果で、5月に成熟して裂開する。

　葉は奇数羽状複葉で5～7枚（まれに3～9）の小葉からなり、先端の3小葉が大きい。小葉の形は楕円形で縁には鋸歯がある。托葉があり、形は披針形で帯褐色となる。花期は4～5月で、花茎に黄色で径15～20㎜の花を多数付ける。

　キジムシロも、岩樋山山頂付近から、→　山頂　→　いったん下って岩樋・道後山分岐　→　なだらかに登って行って　道後山山頂　→　大池方向登山道　→　大池　・・・と明るい登山道に沿って点々と咲き続く。黄花だが小さい花なのであまり目立たない。時折、しゃがみこんで見る。

ショウジョウバカマ　Ⅲ

この個体はいい所に根付いている。