ハンカイソウ（樊噲草）

キク科　メタカラコウ属

参考　☜

登山開始直後、登山道左右の草原（ くさはら）を見てびっくり！

　岐阜県以西のやや湿った落葉樹林下に自生する。草丈は60～90㎝の多年草。種子で増え、地下茎を伸ばし新しい株も出来るので群生することが多い。葉は互生。下部の葉は長柄をもつ幅30～35㎝で大きな掌状円形で、縁に小さな鋸歯が散生する。花期は7～9月。茎の上部で多数分枝し、円錐状に多数の白色の頭花をつける。総苞片は3～4 個、小花は2～4 個ある。

　葉はモミジ状に5～7深裂し、表面は無毛で艶がある。花期は8～9月。花茎の先に円錐花序をつくり、やや紫色を帯びた白色の頭花が数十個集まって付く。当山ではニシノヤマタイミンガサにまぎれてあまり目立たない。

　茎の先端に集散状になる花序を付け、白色または淡紅色の花を多数付ける。花序の周辺に付く装飾花は（中性花）は少数あり、花弁状の3つの萼片からなり、卵形で、白色または淡紅紫色になる。両性花は小型で径6～7㎜。葉は互生し葉身は草質で、披針形または楕円形。先はやや尾状。

　この時期、花の盛期は期待出来ないと思っていたが、高度が増すにつれて遅咲きの株が姿を見せ始めて嬉しくなる。もう二週間も早ければ登山口あたりから楽しめるのだろう。ただし、その頃のギンバイソウはまだ蕾の状態で、「もう二週間後にくれば・・」と思っているだろう。花は人間の都合で咲いているわけではないので、何回でもこちらから出向くしかない。花期は6～7月で、低地から順次開花する。花色は淡青～淡青紫のものが多かったように思われる。

　葉は奇数羽状複葉で、小葉は2～3対ある。長い花柄の先に下向きに径4㎝の白い花を散房状に付ける。花弁は5個、萼片は先が尾状にのび、縁と内側に短く白い毛が密生する。果実は集合果の核果で、長さ1.5㎝の広楕円形で、秋に赤く熟し、食べられる。

　同属のモミジガサに比べると全体がやや小型で弱々しく、葉の裏面の葉脈が隆起するのが特徴。モミジガサに比べやや稀で、より標高の高いところに生育する。 その存在を知らずに出会ったら、モミジガサの貧弱な子と思って通り過ぎるかも知れない。今回は同属のニシノヤマタイミンガサ、モミジガサ、テバコモミジガサの違いを意識しながらの花行動になってよかった。

　花は淡緑色で、花弁は3～4枚。葉の中央に1～2個（雌花）または数個（雄花）の花が咲く。秋に成る果実は黒い液果で種子を2～4個含む。この液果は甘味があり食べられる。

　本州福島県以南、四国、九州に分布。山地～亜高山帯の林内に生育する。高さ1～3mの落葉低木。樹皮は褐灰色で若い枝には星状毛がある。葉は対生し枝先に集まって付き、葉身は長さ5～12㎝の長楕円～卵形。先は鋭頭～長鋭尖頭、基部は広いくさび形か円形で縁には低い鋸歯がある。葉柄は長さ0.7～3㎝。花期は6～7月。花は枝先に長さ3～6㎝の散房花序を出し、花冠は筒形～つぼ形で先は５裂し、長さ3～3.5㎝、径2～3㎜で白色。上部は赤～暗赤色。雄しべは５個、葯は花冠から突き出る。果実（核果）はほぼ球形～広楕円形。長さは6～8㎜、赤熟し後に黒熟する。

　本州関東地方以西、四国、九州に分布。山地～亜高山の日当たりのよいやや湿った草地に生育する。茎は高さ20～100㎝で直立し、細長く、上部で枝分かれする。葉は頂小葉に長い葉柄があり奇数羽状複葉。花期は6～8月。花は径4～5 ㎜で、茎頂に集散状散房花序で多数付く。花弁は3～5個、倒卵状円形、縁に小さな凹凸があり、淡紅色。雄しべは多数で花弁よりも長く薄紅色、花糸は糸状。雌しべの花柱は4～5個。萼片は4～5個、卵形、鈍頭で反り返り、毛はない。白花品種をシロバナシモツケソウとして区別することがある。

ヤマナシ（山梨）

バラ科　ナシ属  

参考　☜

　5月に訪れた時には、この木に花が全開していたし、前年8月に訪れた時には多くの果実が残っていたが、今年は7月。一個の果実も残っていない。年によって違うらしい。

この後、引地山方向に下山する

　本州紀伊半島、四国、九州に分布。山地の林下や水辺に生育する。草丈は30～80㎝の１年草。葉は互生し、菱状楕円形で長さ4～15㎝。先は尖り、縁には鋸歯がある。葉の脈上に白い縮れ毛がある。花期は7～10月。花は、葉腋から出た花柄が下垂し、葉の裏に隠れるように花を付ける。花冠は淡紅紫色で濃色の斑点がある。距は内側に曲がるが、巻き込まない。