日本固有種。本州紀伊半島から四国、九州、南西諸島までの山地の森林内に生育する。(三重、和歌山、広島のものは人為的に持ち込まれてものと考えられている)寄生植物で宿主であるハイノキ属のクロキやハイノキの根を抱くようにして地下に塊状の茎があり、秋の終わりに花茎が地上に顔を出す。花茎は太くて短く高さ6~12㎝、多数の鱗片状の葉に包まれる。花期は10〜11月。花茎も鱗片も花序と同様に真っ赤である。その先端に楕円形の花序が付く。花序は大きさが鶏卵ほどで、表面は細かい粒状のもので覆われて赤い。この粒子は花ではなく、花穂の表面から突出した球状の構造である。これが互いにほぼ密着するように並んでおり、花序の外見はこれが並んだ状態が見えるだけである。花はその突起の間の隙間に並んで生じ、外からは見えない。花はすべて雌花で、単純な形の雌しべのみからなる。雌雄異株であるが、雄株は発見されたことがない。したがって種子は単為生殖によって作られる。名は、根茎から鳥糯(とりもち)を取ったことによる。別名【ヤマデラボウズ(山寺坊主)】